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2011年4月20日 (水)

震災、東京に住む友人からのメール

東京に住む友人から、きっと多くの日本人の気持ちを代弁する内容だと思われるメールが届いたのでここに記録しておく。日付は4月14日。

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日本の状況ってどう説明しようかね。**が帰って来るころには、日本は違う国になっているかもしれない。そんな雰囲気だよ。


そっちの方ではどんなふうに報道されてるんだ?なんだか、伝言ゲームみたいに、各国によってあることないこと、いろんな報道がされてるって聞くよ。それが気になったのと、**には日本の状況と姿を伝えて起きたいと思ったんだ。

日本はどうなるんだろうか。マンガみたいな状況が現実になって、誰もが不安の中で、 重苦しい空気の中で生活してるよ。日本人の心はズタズタだ。

震災から1ヶ月たっても一向に状況が改善しない。阪神大震災の時は1ヶ月もすれば復興にだいぶメドがたって来てた けど、今回は被害の大きさが比べ物にならなくて、
改善のきざしが見えない。

ガレキの山と化した地獄のような町を、家族を探して、 掘り起こして、延々とさすらう人がいまだにたくさんいるんだ。みんな家族の遺体を捜してるんだ。もうダメなのは分かってる。でも、せめて綺麗にして送ってあげたい、って。来る日も来る日も。そういう姿に日本中が泣いてて、無力感もあり、「とにかく被災地のために出来ることをしなくては」っていう思いで日本が一つになってる。

今回の震災は阪神大震災なんかと大きく違うんだ。阪神や新潟のような震災の場合、地震で家が崩れた。つまり、そこを掘れば遺体も財産も見つかった。でも今回は津波がすべてを奪ってしまった。かき混ぜて流して、押しつぶして、村や町そのものが原形をとどめていない。だから遺体も思い出の品もすべて、どこに行ってしまったのか見当もつかないんだそうだ。何万人分も。それが復興作業を遅らせている。

余震が止まらない。震災から1ヶ月たっても、 震度4や5や6が日常茶飯事のように毎日起きてて、警報は毎日のように鳴りっぱなし。俺も、鳴るたびに荷物を抱えて逃げられるように準備するのが習慣になってる。被災した東北にさらに震度5や6が頻発するから、復興もなかなか進まない。東京は震度3・4がよく起きる。震災から1ヶ月で400回くらいの余震が続いてて、これは普通では考えられない回数だそうだ。今後、年単位で警戒が必要だって。

福島原発の対処にもまったく先が見えなくて、 今も放射能が少しずつ出てる。当然漁業や農業は大きく影響を受けてて、ただでさえ津波で壊滅した東北の産業が壊滅状態になってる。 綱渡り状態の、その場しのぎの対応が続いてて、一歩間違えれば本当に日本が終わる。大げさじゃないんだ。日本人みんなが東京電力と政府に対して怒ってる。今まで「安全だ安全だ」って言ってた原発が完璧じゃなくて、何かと言うと「想定外の津波だった」の説明に終始してて、「原発なんかもうやめてくれ」って、俺も含めてみんな思ってる。でも、やめたくても電力需要を賄うためにやらざるを得ないことも分かってる。

東北の工場・産業が壊滅したことで、 日本中の物流に影響が出ていて、とにかく物不足だ。車もテレビも食品も雑誌のインクも、すべてが不足していて、日本の消費活動自体が鈍ってる。それは経済がさらに停滞してるってことだ。放射能が水道水に影響あるかもしれないっていう発表があればみんなミネラルウォーターに群がり、どこにも売ってないんだ。

そして一番国民が腹を立ててるのが、 今言ったすべてのことに対して、政府が何も効率的に動いてないっていうこと。民主党政権は、いないも同然だよ。この国は政府がゴミだ。その代わり民間の組織やボランティアがすごく苦労して身を投げ打って、被災者のために戦ってるんだ。政府が効率的に指示を出したりシステムを構築して復旧にあたればもっとスムーズに被災者を助けられるのに、それをしないからうまく被災者を助けられないでいる。新潟や兵庫から、「自分たちが震災の時に助けてくれた恩返しがしたい」って、支援がすぐ来たんだよ。

世界中から支援や応援が来てるのはわかってるんだけど、 それは置いておいて、日本は今一つになってるよ。みんなが「自分が出来ることはなんだろう」って考えてるんだよ。
関東や関西の床屋さんは避難所に行って無料で散髪してあげたり、自転車屋さんはタイヤを修理してあげたり、とにかく「東北の人の役に立ちたい、みんな一緒だ」って。「家を提供するから、避難して来て下さい」っていう申し出が毎日新聞に載ってるんだよ。義捐金もものすごい額が集まってて、ソフトバンクの孫正義が100億円を寄付したんだよね。俺は1万5000円ほど。中途半端だけど。

つまりね。
・原発の問題がメドがたたない。放射能がおさまるきざしもない。
・政府が役に立たない。グダグダであたふたしてる。復興を指揮できていない。
・製品の物流が日本中に影響を及ぼしてる。それによって経済が停滞している。
・大きな余震がまだまだ続いていて、常に落ち着かない。また巨大地震が来るんじゃないか、って。
・被災者の人たちの保護、生活再建も、政府の無能さと、被害の大きさからなかなか進んでいない。
・電力不足が深刻で、工場が動かず経済が停滞。夏には定期的に停電が計画されてる。東日本全土で。

と言った状況で、単なる災害の枠を越えて、 日本が存亡の岐路に立たされてる。
それと同時に、日本人は今までの享楽的な生活を見直してるよ。結局は無限の物がごとく、湯水のように電気を使うようになったから原発がたくさん必要になって、今回の事態を招いたんじゃないかって。少なくても俺はそう思ってるんだよね。これからは日本の生活スケールを落として行こう、っていう流れになってるよ。贅沢や資源の無駄遣いをやめて、特に電力不足はこれから何年も続く問題だから、それに合わせて生活や産業も小さくしていこうって。

いろんな意味で、日本人は日本を見つめ直してる。
まさか俺たちが生きてるうちにこんな状況になるとはね。
人生観を覆される状況だよ。

だから、**が次に日本に来る時には、 違う国のようになってるかもね。

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