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2010年6月15日 (火)

Smart Gridメモ

IEEE主催のパワーシステム関連のセミナー"Less is More"が昨夜オークランド大学であり、北米とUKでそれぞれスマートグリッドの研究をリードする業界の識者がゲストスピーカーとしてその可能性と、主に現状における課題、問題点を語った。興味のあるテーマなので以下メモ書きしておく。

講演者1 Chris Root, Senior Vice President, T&D Operations and Maintenance

講演者2  John Loughhead, Professor, UK Energy Research Centre (UKERC)

コーディネーター Nirmal Nair, University of Auckland, Power System Group Research Leader

メイントピック 

講演1

  • スマートグリッドはRE(renewable energy, 再利用可能なエネルギー)の普及を前提にしたものであるが、北米のエネルギー供給量の7割は依然として化石燃料である
  • "Damn Grid(従来のスマートでない送電線網のことを指している)"と"Smart Grid(インテリジェントな送電線網"について-本当にdamn(役立たず)なのだろうか?
  • スマートグリッドの問題とは本質的にIT issue(ITの問題)である
  • 太陽光や風力などREはnonlinear(非線形)、従来型のコイルを回して正弦波をつくるlinear(線形)の発電方式とは異なるため、組み合わせは容易ではない
  • スマートグリッドは向こう10年役に立たないだろう

講演 2

  • 2050年までに二酸化炭素排出量の80%削減を掲げたUKスマートグリッドビジョンについて発電、送電、配電、小売、エンドユーザーの役割
  • スマートグリッドの利点とは、技術的な利点よりも、むしろエンドユーザーが現状のエネルギー利用のあり方を見直すことで意識や行動の変革を促すこと、それによって社会のエネルギー消費量を削減するような手段である
  • UKではスマートメーターにつき、2020年までに全戸にスマートメーターの設置を義務付けた法案が成立している
  • UKのスマートメーター実証実験は昨年から数万戸を対象にスタートし2011年3月には実施結果の全容が公表されるが、現段階で、従来のネットワークシステムではスマートメーターの運用は不可能であり、Network Innovationが不可欠ということが分かっている

スマートグリッドは従来の電力インフラに新たに通信インフラを上乗せするようなもの。既存の設備を大幅に更新する必要があるため、それによって生まれる経済効果は巨大である。ではスマートグリッドによって利用者にとって便利な社会になるかいうと、それはやはりそうなのだろう。本当に必要なのかといわれたらそう言い切れないが、技術革新を続けることは、良くも悪くも人類の宿命であるから。

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