2013年2月14日 (木)

絵本読み

オークランドにある日本語図書館は子どもに読ませたい、一緒に読みたいと思う本がたくさんあって、毎月、まとまった数を借り、楽しませてもらっている。

以下は、3歳の娘に読んで、娘がとりわけ喜んだ本のリスト

図書館は、オークランドでひと月に1回ある3-4歳児を対象にした日本語プレイグループ(親子の会)に合わせた出張貸し出しをしてくれており、一度に10冊まで借りられるため、毎月、上限まで借りて、子どもには寝る前に何冊か読むのが常になっている。多の多くの親と同様、本好きな子どもに育てたいという想いは強いから。

オークランド市が運営する図書館は、当然、日本語の絵本が極めて少ないため、貴重な日本語の絵本を貸してもらえる日本語図書館の存在はとても大きい。オークランドの日本語図書館は蔵書が3000冊あると聞いており、昔から読み継がれているような良質な絵本を数多く保有しているという印象を持っている。

また、図書館の利用を通じて、海外での日本語図書の環境を支援する団体や基金などがあることも知った。例えば30万円分の本を海外の図書館へ寄付する制度であったり、古本の絵本を海外へ発送する運賃を助成する基金があったりする。

当地の日本語図書館をはじめ、こうして志を持って尽力されている方々には本当に感謝している。

2013年2月12日 (火)

修理1 マルチバンドレシーバー

電子機器の修理を通じて回路に親しむべく、昨年10月くらいから進んで修理を引き受けるようになった。去年は:

  • 電力線インターコム(有線化)
  • ワインクーラー(電源を修理)
  • 電位治療器(スイッチを交換)
  • CDプレヤー(不可)

をやった。ほぼひと月に一つのペースに乗っている。

今年の一発目のオーディオアンプはまだ作業中だが、正月に日本から持って帰ったマルチバンドレシーバー(写真)がとりあえず完了した。いわゆるエアバンドラジオだが、受信可能な周波数が8-1300MHzと非常に広く、AM、FMラジオ放送、テレビ音声、陸上、船舶、航空無線、アマチュア無線など、様々な電波を受信できる。適当に聴いていると、日常、かくも様々な音声が電波にのって身の回りを飛び交っているのかと、改めて気付かされる。

さて、修理のほうは、ロッドアンテナのささるBNCコネクタと基板のハンダが切断していて、こちらを再度半田し直して無事終了。フィルターコンデンサの一端がドライソルダーではがれていたヶ所もあったため、これも直しておいた。

使用ICを見てみると、ラジオICはソニー製、RAMは三洋製、マイクロは東芝製、オペアンプはJRC、このほかロームや富士通のICも多く使われ、オールジャパンなものづくり。そして90年代初めから20年余経っても、またあちこち落っことしていても、いまだ全く機能性を損なうことなく、すこぶる高感度で電波を受信してくれているのをみると、修理を通じて、製品を設計した人たちへの敬意が湧いてくるのであった。

Mvt7000

2013年1月30日 (水)

ブログ再開

日本で仕事していたときにお世話になった恩師の後押しもあり、1年と2ヶ月ぶりにブログを再開することにした。休眠中あったこと:

  • 学部生として最終学期となる2学期は超忙しかったが、自分でも驚くほど良い成績で締めくくることができた。
  • 企業がスポンサーとなった卒業研究は、様々な問題点、課題があったものの、通期、実働期間としては3-9月の7ヶ月間のプロジェクトをやり抜き、成果として、試作品およびレポートを完成することができた。(レポートは希望により開示可)
  • 学部の勉強を終えた翌月の12月半ばからオークランドCBDにある医用機器の製造業でProductionの仕事をスタートする。
  • 翌年2月に、この会社と前年、前々年の夏休みにインターンとして働いた併せて2社での就業レポートを大学へ提出、卒業要件である専門に関連した就業経験計800時間を正式に認定された。
  • 年2回ある卒業式のうち5月のはレポート提出の関係で逃したものの、当地で桜咲く10月の卒業式に無事出席、長かった四年間の勉強の末、工学士 Bachelor of Engineering - Honours の学位、資格を手にした。
  • 明けて2013年、就業1年を越えたいまの会社は色んな意味で限界があるため、転職活動を本格化しており、設計者を目指して、引き続き活動している。

専門分野のスキルと経験を欠く大学新卒の就職難は世界的な傾向であるし、日本でもニュージーランドでも雇用環境の厳しさは大きく変わらないと思う。当地の失業率は昨年10-12月期で7.3%、それまでの過去2年間より失業率が悪化しているため、現時点において、若者の失業率は2割を越えていると思われる。設計の仕事に就くのは難しいが、こうした中で、電子機器の製造に関係する仕事を通じて、少なからず経験が積めるのは、ありがたいこと。英語が母国語でない環境ならなおさらである。前向きに、できることを一つひとつ着実に積み上げていかないと。

2011年11月11日 (金)

日本へTPPのメール

ニュージーランド・オークランド大学の学生(工学部四回生)です。TPP交渉参加へ強い反対を意見したくメールしました。

私の両親は新潟で米農家をしており、日本の農産物の競争力が震災と放射能汚染によってここまで不利な状況にある段階でのTPP参加には断固として反対です。TPP参加に伴う関税の撤廃は、窮地にあるわが国農業、農地、ひいては地方経済の弱体化と同義であるからです。

私たちがニュージーランドへ転居したのは2006年1月で、以来、当地でいかに日本のコメが貴重であるか、高い品質と食味にどれだけ価値と人気があるか、また当地で暮らす日本人にとっていかに大切な物であるか身をもって経験しています。日本のコメは、輸送コストの高さから、ニュージーランドで日本米を買うと、日本における市価の3、4倍はするため、一般市民にとっては大変な高級品です。それでも健康で安全な日本食ブームにのって需要は地道に伸びてきていたと聞きます。海外で暮らす息子夫婦と孫に丹精こめて育てたコメを食べさせようと、両親が3ヶ月に1回のペースで新潟のコシヒカリを送ってくれるようになったのは、そうした経済上の理由もあってのことです。新潟から20kgのコメをニュージーランドまで船便で送ると輸送コストは1万2千円ほどになります。両親の手間と郵送費を考えるにつけ、日本にいれば当たり前に食せるものとして認めていたコメが、どれだけ貴重でありがたいものか、われわれ家族にとってはダイヤモンドのように価値あるコメを毎日食べることができることを再認識し、そのつどありがたさと感謝を覚えずにはいられません。新米が送られてくる秋には(当地では夏ですが)、ニュージーランドの美味しい豚肉を使ったトンカツを新米と一緒に味わうのを習慣にしています。原発事故とこれに伴う農産物の放射能汚染がこうしたわれわれのささやかな楽しみにどれだけ暗い影を落としているか、想像は難くないと思いますが、今回の論題から外れるのでこれ以上申しません。

さてTPPに関してですが、私の所属するオークランド大学法学部のジェーン・ケルシー教授がシカゴやリマで行われてきたTPP交渉について、機密扱いの内部資料や議事録を含めた内容を検討し、これに対する意見を「TPPウオッチ」の中で、逐次、一般に公開しています。氏は地域経済保護の観点からTPPに反対しており、TPPウオッチの中でTPP交渉がいかに不透明なプロセスであるか詳細に記しています。またニュージーランドにとって大きな点は、米国の製薬会社への便宜を図ることと引き換えにニュージーランドの最大企業であるフォンテラが乳製品(粉ミルク)を米国市場で売りやすくすることに交渉の価値があり、反面、こうした大企業へ手厚い便宜がローカルに展開するビジネスにとって不利益につながることを警戒しています。

氏は今年7月に日本を訪れ、有識者、市民と意見を交換した経緯から「日本のTPP参加は、(当時の菅政権にとって)政治的自殺である」と述べています。以下にTPPウオッチのウェブサイトから文章を転載しました。

長くなりましたが、私の想いは、草の根の政治活動で知られる野田首相に、民意を無視した日米の政治決着という安易な決断がいかに危険であるか、いまいちど考えて欲しいということ。そしてTPP参加表明を取りやめてもらえることを切に願っています。

Japan in no state to join Trans-Pacific Partnership talks says academic

Media Release: Jane Kelsey. Tuesday 19 July 2011

‘Japan is in no state politically, economically or psychologically to join the Trans-Pacific Partnership negotiations’ according to Professor Jane Kelsey, who has just returned from a lecture tour on the TPP in Japan.

Professor Kelsey was invited to Japan by the Conference to Comment on the TPP. Its members include a group of parliamentarians from the ruling Democratic Party of Japan who aim to promote public debate over Japan’s proposed participation in the deal.

Prime Minister Kan and his Cabinet put the decision on hold in June, following the devastating tsunami.

During the three-day tour Professor Kelsey delivered public lectures to full venues in Sendai, Sapporo and Tokyo and held briefings with numerous politicians, sectoral representatives and media.

‘Opposition to the TPP in Japan is often simply dismissed as protectionism and Japanese refusal to confront the realities of the 21st century. Yet everyone I spoke to was realistic about the challenges facing Japan and absolutely focused on the future’, according to Professor Kelsey.

‘The triple catastrophes of the earthquake, tsunami and nuclear power plant meltdown have focused people’s minds on recovery. The prospect of a TPP-driven economic experiment is terrifying, especially when it would be dominated by the interests of US corporations.’

One example was the proposed special regulatory zone in Sendai where a commercial fishing quotas system involving foreign corporate fishing operators is being promoted to replace the devastated traditional fisheries.

‘People fear that a TPP would lock in those changes and guarantee foreign investors rights and enforcement options at the expense of the local fishing community who has been left with nothing.’

There were equally strong concerns about the future of Japan’s public health care system, which has some similar issues to those involving Pharmac; the long-standing goal of US corporations to increase their grip on Japan’s partially privatised postal, banking and insurance system; and how more big-box department stores like Wal-Mart would further undermine the sustainability of local shops and markets.

‘It is widely recognised that the Kan government’s main goal in joining the TPP talks is to implement its hugely unpopular liberalisation and deregulation programme through the back door and lock it in to prevent a future government from changing tack. Given his fragile grip on power amid a growing controversy over the TPP, a decision to join the talks would be political suicide’, Professor Kelsey observed.

ENDS.

2011年6月15日 (水)

空気の変化

菅政権の退陣を喜ばない人はきっといないが、惜しむべきは反・脱原発のトーンが政権交代によって大きく和らいでしまうことが必至であること。

虎の尾を踏む所か引っ張って、喧嘩して、従えようとした人は、間違いなく、巨大な力によって、あっという間に、権力の座から引きずりおろされようとしている。

それをただ喜んで見ているだけではいけない。以下の記事にあるような根本的な問題点から議論が始まっていかねばならない。

原発依存を助長する日本の文化
In Japan, a Culture That Promotes Nuclear Dependency

2011年5月28日 (土)

原発

転換期を迎えた日本の原子力政策。喉もと過ぎて熱さ忘れては絶対にいけないのが、今回の原発事故である。私は日本の原発政策に反対である。原発を日本に導入した人たちは、当時の時代背景もあろうが経済優先で、根本的な安全性はもとより、日本の地理的条件をよくよく考えずに、原発推進を決定をしたのだろう。アメリカ、フランス、ドイツ、イギリス、ロシア-現在の原発技術を確立し、推進するいずれの先進国をみても、日本のように地震が、大規模な地震が、頻発する国はない。原発は、安定したプレートにのっかった国が行使すべき技術なのだと思う。

原発に反対する技術者が直面する課題は、現在の電力需要の2-3割を引き受ける原子力発電をいかに置き換えるかである。仮に置き換える技術があり、置き換えるという決定が下されたとしても、この先10年単位で時間のかかる作業である。であるからこそ、いま、人々がまとまって、原発に対してNOを唱えていく必要があるのだと思っている。

以下のリンクは、
2011年5月23日参議院行政監視委員会における小出裕章氏の発言の文字おこし

小出さんは、原子力工学科2年生の時に「原発政策をやめさせるために原子力について学ぶ」と決心して以来、一貫して、反原発を唱えてきた人であるという。かような人の言動が、メディアを通じて、もっと一般に広く伝わってくれることを願うばかりである。

2011年4月20日 (水)

Translation- email from my friend in Tokyo

My wife translated the email from my friend in Tokyo (on my previous entry), after she read it through, cried over it and felt that she wanted to share this message with her family and friends in New Zealand.

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Translation of the main part of an email from Toshi’s friend in Tokyo, Japan

 

When you come back to Japan, it might be a different country. That is the mood at the moment.

 

How is the media reporting it over there? I hear that it’s a bit like Chinese whispers – that there are so many different reports – different things in different countries.

 

What is going to happen to Japan?

It’s like a story from a cartoon has come true, and everyone is worried and depressed.

The hearts of the Japanese people are in ruins.

 

It’s been one month since the disaster and there are no signs of the situation getting any better. One month after the Hanshin (Kobe) earthquake, there were substantial plans for recovery in place, but this time the extent of the damage just doesn’t even compare, and there is no sign of recovery in sight.

 

There are so many people still wandering around endlessly, digging and searching for their family members in towns that are just hellish - just mountains of rubble. Everyone is searching for the bodies of their family members. They know there is no hope now, but they say that they at least want to make them look nice before they say goodbye. And it goes on, day after day. All of Japan cries for these people, and there is a feeling of helplessness, but Japan has become ‘one’ with the feeling of “we need to do what we can for the disaster area”.


This disaster is so different to the Hanshin Earthquake. With the Hanshin and Niigata earthquakes, houses simply came down in the quake. So if you dug in the same place, you would find bodies and possessions. But this time they lost everything in the tsunami – it was mixed around, washed away, crushed – villages and towns are just no longer there. So many thousands of people simply haven’t got a clue where their loved one’s bodies are or where their beloved possessions might be. That’s what is making the recovery effort so slow.

The aftershocks just don’t stop. Even one month after the disaster, earthquakes of intensity 4, 5, or 6 are part of daily life, and it seems like the warnings are constant. Every time the sirens go off I grab my bag, ready to run, just out of habit now. And in North-Eastern Japan where the disaster area is, quakes of intensity 5 or 6 are frequent, so the recovery effort hardly moves forward. In Tokyo there are lots of quakes of intensity 3 or 4. In the month since the disaster, there have been about 400 aftershocks, and this seems to be very out of the ordinary. They say we should be prepared for it to go on for years.


In terms of the Fukushima Nuclear Power plant situation, no-one knows what will happen, and even now there is some radiation being leaked out. Naturally the fishing and agriculture industries have been affected, and that’s on top of the devastating effect of the tsunami for industries in North-Eastern Japan. Makeshift measures are continuing in an extremely tricky situation – one wrong move and Japan is finished. I’m not exaggerating.


Everyone in Japan is angry at TEPCO and the government. Up until now they’ve said that nuclear power is ‘Safe. It’s safe’, but it’s not perfect, and if anyone says anything you just get a response like ‘it was a totally unexpected tsunami’, but everyone - me included – thinks that we should bring an end to nuclear power. But I know that even if we want to get rid of it, we still need it to meet electricity demand.


With the devastating effect on factories and industries in North-Eastern Japan, distribution chains all over Japan have been affected – basically there is a shortage of everything. There is a shortage of cars, TVs, food items, ink for magazines – everything. It’s like spending in Japan has slowed to a halt. And that means that the economy is slowing even more. If there are announcements that radiation might be affecting tap water, then everyone stocks up on [bottled] mineral water, and then it is not available anywhere.


But the thing that is angering people in Japan the most is that in terms of all the things I have mentioned above, the government is not working efficiently on any of them. Having a Democratic Party Government is just the same as having none at all. The government in this country is rubbish. Instead, citizens’ organizations and volunteers are working hard - throwing themselves at the disaster to help the victims.

 

We would be able to help the victims effectively if the government would put systems in place to provide effective leadership for recovery, but they don’t, so we can’t help them properly. Help came straight way from people in Hyogo and Niigata because they wanted to give something back in exchange for the help they received in their time of need [in the Kobe and Niigata earthquakes].


I realise that help and support is coming from all over the world, but forgetting that for a moment, Japan has banded together. Everyone is thinking about what they can do to help. Barbers in the Kanto and Kansai regions have been going to evacuation centres and giving free haircuts, and bicycle shops have been repairing tyres…everyone just wants to help the people of North-Eastern Japan because we are all in this together. Every day in the newspaper there are ads from people offering their houses as places to take refuge. There have been huge donations made – like Masayoshi Son from Softbank gave 10 billion yen [about NZD150 million]. I gave 15000 yen – not much comparatively.


So basically:

  • There are no clear prospects in terms of the nuclear situation, and no sign that the radiation is going to stop.
  • The government is not helping. They are tedious and fluffing around. There is no leadership in terms of recovery.
  • Distribution of goods is something that is affecting the whole of Japan. And as a result the economy is slowing down.
  • Big aftershocks are still continuing – there’s no respite. They say we could still get another big one.
  • In terms of looking after the victims and rebuilding their lives, we are not making much progress because of the government’s incompetence and the fact that it is such a huge disaster.
  • Power shortages are serious, and the economy is slowing since factories can’t operate. There are regular power outages planned for summer in the whole of Eastern Japan.

 

So that’s how it is – it is more than just a disaster – Japan is standing at a turning point between life and death. At the same time, Japanese people are rethinking their pleasure-seeking lifestyles that they’ve previously had. Basically, because we have used electricity willy-nilly as though we had an infinite supply, nuclear power has become necessary, causing the current situation. I at least think that. The view at the moment is that we should scale down the Japanese lifestyle – give up luxuries and stop wasting resources. The electricity shortage is going to continue for years to come, so we have to reduce our impact and reduce the size of industry to be in line with that.


In so many ways Japanese are rethinking things. I never thought that in my lifetime we would get into a situation like this. My philosophy on life has totally changed.

So yeah, when you come to Japan next, it might be a different country.

 

震災、東京に住む友人からのメール

東京に住む友人から、きっと多くの日本人の気持ちを代弁する内容だと思われるメールが届いたのでここに記録しておく。日付は4月14日。

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日本の状況ってどう説明しようかね。**が帰って来るころには、日本は違う国になっているかもしれない。そんな雰囲気だよ。


そっちの方ではどんなふうに報道されてるんだ?なんだか、伝言ゲームみたいに、各国によってあることないこと、いろんな報道がされてるって聞くよ。それが気になったのと、**には日本の状況と姿を伝えて起きたいと思ったんだ。

日本はどうなるんだろうか。マンガみたいな状況が現実になって、誰もが不安の中で、 重苦しい空気の中で生活してるよ。日本人の心はズタズタだ。

震災から1ヶ月たっても一向に状況が改善しない。阪神大震災の時は1ヶ月もすれば復興にだいぶメドがたって来てた けど、今回は被害の大きさが比べ物にならなくて、
改善のきざしが見えない。

ガレキの山と化した地獄のような町を、家族を探して、 掘り起こして、延々とさすらう人がいまだにたくさんいるんだ。みんな家族の遺体を捜してるんだ。もうダメなのは分かってる。でも、せめて綺麗にして送ってあげたい、って。来る日も来る日も。そういう姿に日本中が泣いてて、無力感もあり、「とにかく被災地のために出来ることをしなくては」っていう思いで日本が一つになってる。

今回の震災は阪神大震災なんかと大きく違うんだ。阪神や新潟のような震災の場合、地震で家が崩れた。つまり、そこを掘れば遺体も財産も見つかった。でも今回は津波がすべてを奪ってしまった。かき混ぜて流して、押しつぶして、村や町そのものが原形をとどめていない。だから遺体も思い出の品もすべて、どこに行ってしまったのか見当もつかないんだそうだ。何万人分も。それが復興作業を遅らせている。

余震が止まらない。震災から1ヶ月たっても、 震度4や5や6が日常茶飯事のように毎日起きてて、警報は毎日のように鳴りっぱなし。俺も、鳴るたびに荷物を抱えて逃げられるように準備するのが習慣になってる。被災した東北にさらに震度5や6が頻発するから、復興もなかなか進まない。東京は震度3・4がよく起きる。震災から1ヶ月で400回くらいの余震が続いてて、これは普通では考えられない回数だそうだ。今後、年単位で警戒が必要だって。

福島原発の対処にもまったく先が見えなくて、 今も放射能が少しずつ出てる。当然漁業や農業は大きく影響を受けてて、ただでさえ津波で壊滅した東北の産業が壊滅状態になってる。 綱渡り状態の、その場しのぎの対応が続いてて、一歩間違えれば本当に日本が終わる。大げさじゃないんだ。日本人みんなが東京電力と政府に対して怒ってる。今まで「安全だ安全だ」って言ってた原発が完璧じゃなくて、何かと言うと「想定外の津波だった」の説明に終始してて、「原発なんかもうやめてくれ」って、俺も含めてみんな思ってる。でも、やめたくても電力需要を賄うためにやらざるを得ないことも分かってる。

東北の工場・産業が壊滅したことで、 日本中の物流に影響が出ていて、とにかく物不足だ。車もテレビも食品も雑誌のインクも、すべてが不足していて、日本の消費活動自体が鈍ってる。それは経済がさらに停滞してるってことだ。放射能が水道水に影響あるかもしれないっていう発表があればみんなミネラルウォーターに群がり、どこにも売ってないんだ。

そして一番国民が腹を立ててるのが、 今言ったすべてのことに対して、政府が何も効率的に動いてないっていうこと。民主党政権は、いないも同然だよ。この国は政府がゴミだ。その代わり民間の組織やボランティアがすごく苦労して身を投げ打って、被災者のために戦ってるんだ。政府が効率的に指示を出したりシステムを構築して復旧にあたればもっとスムーズに被災者を助けられるのに、それをしないからうまく被災者を助けられないでいる。新潟や兵庫から、「自分たちが震災の時に助けてくれた恩返しがしたい」って、支援がすぐ来たんだよ。

世界中から支援や応援が来てるのはわかってるんだけど、 それは置いておいて、日本は今一つになってるよ。みんなが「自分が出来ることはなんだろう」って考えてるんだよ。
関東や関西の床屋さんは避難所に行って無料で散髪してあげたり、自転車屋さんはタイヤを修理してあげたり、とにかく「東北の人の役に立ちたい、みんな一緒だ」って。「家を提供するから、避難して来て下さい」っていう申し出が毎日新聞に載ってるんだよ。義捐金もものすごい額が集まってて、ソフトバンクの孫正義が100億円を寄付したんだよね。俺は1万5000円ほど。中途半端だけど。

つまりね。
・原発の問題がメドがたたない。放射能がおさまるきざしもない。
・政府が役に立たない。グダグダであたふたしてる。復興を指揮できていない。
・製品の物流が日本中に影響を及ぼしてる。それによって経済が停滞している。
・大きな余震がまだまだ続いていて、常に落ち着かない。また巨大地震が来るんじゃないか、って。
・被災者の人たちの保護、生活再建も、政府の無能さと、被害の大きさからなかなか進んでいない。
・電力不足が深刻で、工場が動かず経済が停滞。夏には定期的に停電が計画されてる。東日本全土で。

と言った状況で、単なる災害の枠を越えて、 日本が存亡の岐路に立たされてる。
それと同時に、日本人は今までの享楽的な生活を見直してるよ。結局は無限の物がごとく、湯水のように電気を使うようになったから原発がたくさん必要になって、今回の事態を招いたんじゃないかって。少なくても俺はそう思ってるんだよね。これからは日本の生活スケールを落として行こう、っていう流れになってるよ。贅沢や資源の無駄遣いをやめて、特に電力不足はこれから何年も続く問題だから、それに合わせて生活や産業も小さくしていこうって。

いろんな意味で、日本人は日本を見つめ直してる。
まさか俺たちが生きてるうちにこんな状況になるとはね。
人生観を覆される状況だよ。

だから、**が次に日本に来る時には、 違う国のようになってるかもね。

2011年3月 5日 (土)

新学期

新学期がいよいよ始まった。大学四年目の一学期は2/28から6/27まで、履修する科目は以下の四科目。

1研究課題A                   (ELECTENG401A)
2電力系                        (ELECTENG411)
3制御系                        (ELECTENG422)
4パワーエレクトロニクス   (ELECTENG414)

1の研究課題は、一学期がA、二学期がBとなっており、A、Bの二科目を続けて履修することで通年で一つの研究課題に取り組む。私の研究は、主にパワーエレクトロニクスを用いたコンプレッサの力率改善がテーマ。

4のパワーエレクトロニクスは、IPTという非接触でかなり大きな電力を送電する技術とDCコンバータについて主に学ぶ。この大学は、IPTの先端研究で世界に知られている。IPTを利用すると、例えば、電気自動車が充電スタンドに入った時に、プラグを差し込まずとも、非接触で、充電するといったことが可能になる。原理は、電動ハブラシや接点のないケータイの充電器と一緒だが、より大きな電力を送電できる技術の実用化が進んでいる。

授業の構成は、半分が講義、半分がプロジェクト。プロジェクトは、田宮模型のRCカーを改造してIPTのサーキットを走らせるというもの。二人一組でIPTの回路とDCコンバータの回路を製作し、それら回路をRCカーに組み込んで最終的なデモを行う。デモはRCカーを実際に全長15mほどのサーキットで走らせスピードを競う。優勝者にはNZ$200のおまけもつく。私が入学して以来、毎年6月に学内でこのレースが行われており、当初は、「いい学生がRCカーレースなんぞに熱中して」と冷ややかに見ていた時もあったが、いざ当事者になってみると、学生たちがいかに大きな課題に取り組んでいたか分かる。大変だが、とても楽しみにしている科目である。

2011年3月 2日 (水)

NZメディアに寄せられた震災被害者の父親の手紙と

クライストチャーチの地元紙The Pressに寄稿されたとみられる、震災被害者の父親の手紙が今日付けのstuff.co.nzに載っています。

父より、心からのありがとう

この方の娘さんは、地震発生当時にいたとみられる崩壊したCTVビルの語学学校からいまも救出されてません。手紙には、この方が娘さんの無事を信じて日本からニュージーランドに渡って以降、現地で受けた様々な支援や励ましへの感謝の想いが英語で綴ってあります。自らが絶望の底にあるのに、地震発生からずっと現場で作業に当たっている人たち、様々なかたちで被災者の支援に当たり苦心している人たち、山ほどある課題への対応に追われる行政関係者など、他者を思い遣るその優しさと寛容さに胸うたれます。不運な自然災害に対して尽力しておられるとくにニュージーランド人がこの手紙を読んだら少しでも救わた想いがするのでは。

こちらは、足を切断しても生きていくことを選んだ19歳の少年の記事。強い子だなと思います。

日本人、救出作業自力で


一方、現地の空気が読めない日本のメディア関係者の失態も報じられてます。

日本人報道関係者5人、強制退去

 

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